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昨年、健康講座に行きました(第2回)

症状は氷山の一角です。「ヒューヒュー、ゼイゼイ」といった症状は、病院に来て、吸入器などを中心とした薬をしっかりと摂取することによりスッとよくなります。そうすると患者さんの中には、薬をやめてしまったり、来院しなくなってしまう方もいます。症状がなくなっても喘息が治ったわけではありません。症状は、喘息という病気の「氷山の一角」です。その下には気道の炎症という見えない大きな氷山が隠れているのです。症状がなくなっても炎症は残っているので、その炎症についてはしっかりとした治療をしておかないといけません。

喘息を悪くするリモデリング。なぜ、炎症の治療は重要なのでしょうか。それは、慢性的な気道の炎症があると少しずつ気道が壊れていくからです。症状が出なくなっても、炎症があると気道は徐々に壊れていき、、狭くなっていきます。最終的には気道の内腔の広さは正常な場合の10分の1ぐらいまで狭くなって、より発作が起こりやすくなります。これを「気道のリモデリング」といいます。いったんリモデリングが起きると、どんどん喘息は悪くなります。

正常な気道の断面を見ると、しっかりと呼吸ができる広さの通り道があり、その表面はきれいな気道上皮で覆われています。きれいにコーティングされたパイプの内側のようです。そして、気道の外側には平滑筋という筋肉があり、この筋肉によって気道はしぼんだり、広がったりします。

ところで、気道の炎症を放っておいてリモデリングが起きてしまうとどうなるのでしょうか。正常なときはきれいに覆われていた気道上皮がはがれおち、粘膜がむくんで気道が狭くなります。そして、剥がれ落ちた上皮の代わりに痰がべったりくっついてしまいます。また、一番大変なのは、外側の平滑筋が増殖してしまい、ギュッと縮こまったままになっていることです。

呼吸機能というのは、吸って吐いての1秒量、1秒間でどれくらい吐けるかで量ります。人間の肺の一番良い状態は実は25歳のときです。25歳のころと比べると、たばこも吸わなければ風邪もほとんど引かないという、すごく健康な人でも,75歳ごろで大体25歳時の60%くらいの能力になります。これはいくら鍛えてもそうなります。がんばって鍛えれば70%程度で抑えられるかもしれませんが、悲しいかな、どうしても肺の能力は年齢とともに落ちてきてしまうわけです。

慢性閉塞性肺疾患(ⅭOPⅮ)になる方の呼吸機能は、50歳ぐらいで一番良い状態の50%程度になり、呼吸が苦しくなります。喘息の場合、それよりはましな状態です。ただし、喫煙者でリモデリングが起きた方は、ⅭOPⅮほどではないのですが、普通の方より呼吸機能の落ち方が激しくなってしまいます。さらに、発作を起こしたり肺炎を経験してしまうとこの落ち方がますます激しくなる。その状態で、75歳から80歳ぐらいになると、かなり呼吸が苦しくなってしまうわけです。

また、すごく重要なことなのですが、喘息という病気は軽症であったとしても急に亡くなる可能性があります。もちろん重症や中等症といって、もともとすごく発作のある方でそれがどんどん悪くなって亡くなる方もいます。ですが、喘息死の5人に1人は軽症でほとんど症状がなかった方なのです。そんな人が1回の急な発作で亡くなってしまうのです。

これはリモデリングが原因です。症状は、氷山の一角です。症状に現れなくても炎症が徐々に進行し、リモデリングが起きます。その結果、突発的に何かが起こった瞬間、死に至ってしまったのです。

このように喘息は慢性的な炎症です。その炎症をしっかりと抑える治療をしておかないと、将来的に命に差し障ることにつながりかねません。(高橋)


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