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東京医科歯科大学病院の公開講座に行きました(第6回)

大腸がんの手術後は、運動や食事に特別な制限はありません。適度に身体を動かし、「ゆっくり、よく噛んで、腹8分目」を心掛けましょう。直腸がんの手術後に起こる排便・排尿障害は手術後半年~1年かけて、ある程度まで徐々に改善していきます。

人工肛門(ストーマ)とは、腸の一部をお腹の外(皮膚)に出して、肛門に代わる便の出口としたものです。1~2cmほど皮膚から腸が突き出した形になります。ここにパウチ(袋)を付けて排便を管理します。人工肛門のある人のことを「オストメイト」と呼びます。人工肛門になっても日常生活の制限はほとんどなく、手術前とほぼ同様の生活が可能です。また、身体障害者手帳を取得でき、装具の給付や税の控除などの福祉サービスが受けられます。人工肛門に関する悩みやトラブルがあるときは、「ストーマ外来」に相談しましょう。

化学療法とは、薬物(抗がん剤や分子標的薬)を使ってがん細胞の増殖を抑えたり死滅させたりする治療法です。大きく分けて、手術後の再発予防のために行う化学療法と、転移・再発を起こした大腸がんに対する化学療法の2つがあります。最近では外来通院での治療が多くなっています。

再発予防のための術後補助化学療法。手術でがんをすべて切除したと判断されても、身体の中に目に見えないレベルのがん細胞が残っていて、再発を起こす可能性があります。そこで、残っているかもしれないがん細胞を攻撃し再発をできる限り抑えることを目的に「術後補助化学療法」を行う場合があります。ステージⅢ、およびステージⅡのうち再発する危険性が高いと思われる患者さんが対象となります。一般的には、術後1~2か月を目安に開始し、原則6か月、通常は2~3週間おきの外来通院で治療します。術後補助化学療法に使用する抗がん剤にはいろいろな種類があり、それぞれ特徴があります。ご自身のライフスタイルに合った治療法を担当医とよく相談しましょう。

転移・再発を起こした大腸がんの化学療法。転移・再発を起こした大腸がんに対しては、手術でがんをすべて取り切ることができれば積極的に手術を行います。しかし、がんをすべて取り切ることが難しい場合や、がんがもう少し小さくなれば手術が可能になると期待される場合には、化学療法が行われます。

基本となる薬剤は5-FU+ロイコボリン(ⅬV)、イリノテカン、オキサリプラチンの3種類の抗がん剤と、抗EGFR(上皮細胞増殖因子受容体)抗体薬のセツキシマブ、パニツムマブ、抗VEGF(血管内皮増殖因子)抗体薬のベバシズマブの3つの分子標的薬です。5-FU+ⅬVの代わりに5-FU系の経口薬(飲み薬)を使用することもあります。5-FU+ⅬV+オキサリプラチン(FOⅬFOⅩ)または5-FU+ⅬV+イリノテカン(FOⅬFIRI)の3剤併用療法に、いずれか1つの分子標的薬を加えた治療法が、最初に行われる治療法です。セツキシマブ、パニツムマブは、RAS遺伝子に変異がない場合(野生型)にのみ使用します。化学療法を始める前にRAS遺伝子検査で変異の有無を確認します。効果や副作用をみながら、組み合わせを変えたりして治療を切り替えていきます。

大腸がんの化学療法はこの10年余りで飛躍的に進歩しています。がんを小さくして手術で取れるようになる場合もあります。また、完全に治すことができない場合でも、がんが大きくなるスピードを抑えて、患者さんが元気に生活できる期間も長くなってきています。

手術の基準とは、安全に手術、切除できる(短期予後)。正常の肝臓であれば70%の肝切除できて3か月後に2倍に再生し、1年でほぼ再生できて、何回でも切除できます。我が国の肝切除は世界一です。再発なしが27%、再発ありが73%でそのうち再切除ありが48%再切除なしが52%です。肝転移と肺転移が多く、肝切除後1か月の化学療法の休業が必要です。ボーダーラインは3個以内5cm未満では手術して化学療法、4個以上5cm以上では化学療法して手術して化学療法です。(高橋)


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